小児整形外科とは?

小児整形外科

小児整形外科は、こどもの骨・関節・筋肉・神経の病気やケガ、成長に伴う運動器の悩みを幅広く診る診療分野です。こどもの運動器は大人と異なり、成長途中であることが最大の特徴です。骨や筋肉が発達する過程では、姿勢・歩き方・運動フォーム・負荷バランス・体の使い方などが影響し合いながら変化していきます。そのため、当院では「痛みや異常のある部位の診察」だけでなく、「成長段階」「日常やスポーツでの動作」「左右差」「柔軟性」「筋力バランス」「姿勢」「歩行」まで含めた総合的な評価を大切にしています。
「様子を見れば治るのでは?」と悩まれることも多い分野ですが、適切な時期の診断と対応が、将来の動きや体のバランス、スポーツ継続に大きく影響することがあります。保護者の方とこども自身の理解を大切にし、必要な治療・今できるケア・見守りのポイントまで丁寧に共有します。

対応している主な症状・お悩み

  • 歩き方が気になる/左右で違う
  • 体が硬い/よく転ぶ/姿勢が悪く見える
  • ひざ・かかと・足裏・肩・ひじ・腰などの痛み
  • 手足や指先のしびれ、力が入りにくい
  • スポーツや運動後に特定部位が痛む
  • 学校健診で側弯(背骨の曲がり)を指摘された
  • 骨折・捻挫・脱臼・打撲・突き指 などのケガ
  • 成長に伴う痛みやバランスの相談
  • 足の形、靴の減り方、歩行バランスの相談
  • 骨密度や栄養面からの運動器サポート など

「受診すべきか迷う」という段階からもご相談いただけます。

よくある疾患

1. 成長に伴う疾患・障害

  • オスグッド病
    ひざのお皿の下(脛骨)が引っ張られて痛む成長期特有の症状
  • シーバー病(踵骨骨端症)
    かかとの骨の成長部分が負荷で痛む
  • 腰椎分離症
    スポーツや体幹の回旋動作などで腰椎に負荷が集中して起こる疲労骨折の一種
  • 特発性側弯症
    学校健診で発見されることも多い背骨の曲がり
  • 成長痛
    夕方〜夜間にかけて下肢に起こりやすい痛みの相談

2. スポーツ関連の障害

  • ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
  • シンスプリント
  • アキレス腱炎・周囲炎
  • テニス肘・ゴルフ肘
  • 野球肩・野球肘(投球障害)

3. こどもの体の形・動きの異常

  • 扁平足・外反扁平足
  • X脚・O脚
  • つま先歩き
  • 姿勢の左右差
  • 関節のゆるさ(動作不安定)

4. ケガ・外傷

  • 骨折全般
  • 捻挫・脱臼
  • 打撲・肉離れ
  • 靭帯損傷(突き指なども含む)

診断・検査の方針

当院では、画像検査と身体所見、動作評価を組み合わせた対面診療での診断を行っています。

院内で実施できる検査

  • レントゲン(X線検査):骨の成長状態、変形、分離症、骨折の評価
  • 超音波検査(エコー):筋肉・腱・靭帯・関節内の炎症や損傷をリアルタイムで評価
  • 採血検査(必要時):炎症反応、貧血、栄養状態、骨代謝マーカー など
  • 徒手検査:圧痛、関節安定性、可動域、筋出力の評価
  • 姿勢・歩行・動作評価:歩き方、ジャンプ、走行、投球、片脚立位などの確認

連携で実施する検査(必要に応じて)

  • MRI検査:軟骨・靭帯・半月板・腱板・筋損傷の精密評価(連携施設)
  • CT検査:骨折形態の詳細評価(連携施設)
  • 側弯の精密評価・経過観察(提携・紹介)

検査はこどもの負担や必要性を見極めて適切なタイミングで実施します。

治療内容(保存療法中心の組み合わせ)

こどもの治療は手術だけではなく「成長を邪魔しない・将来のバランスを守る・再発させない」保存療法が中心になります。

1. 痛み・炎症の軽減

  • 鎮痛薬・消炎鎮痛薬の処方
  • 患部のアイシング指導
  • 物理療法(温熱・低周波など)
  • スポーツ負荷の調整アドバイス

2. 固定・装具療法(必要時)

  • サポーター
  • スプリント(添え木)
  • ギプス固定(骨折・重度損傷 など)

3. 機能改善のための運動療法

  • 体幹の安定化
  • 関節の連動性改善
  • 柔軟性と筋出力バランスの改善
  • 左右差の調整
  • 競技フォームの改善アドバイス(投球・走行・ジャンプなど)

4. 再発予防・生活指導

  • こどもの体に負担の少ない動作やウォームアップ方法
  • 適切な休養・睡眠・食事・水分・日光(骨育)のアドバイス
  • 体の使い方・姿勢の助言
  • 競技復帰の段階的計画

5. 手術が必要な場合

保存療法での改善が難しく、手術が望ましい場合は、スポーツ医療・小児整形の実績豊富な連携病院へ速やかに紹介し、術後のリハビリや復帰プランも併走できる体制を整えています。

受診の目安

  • 片脚で立てない/歩けない/腕が上がらない
  • 関節が大きく腫れて熱を持っている
  • ぶつかった・転んだ・着地した直後から強く痛む
  • しびれや脱力が急に悪化した
  • ケガ直後の診断・固定が必要な状態
  • 学校健診で側弯・下肢変形を指摘された など

保護者の方へ ― 見守りと受診のポイント

こどもの運動器疾患では、日々の観察が診断と治療に大きく役立ちます。以下を可能な範囲でご共有ください。

  • いつから痛むか(例:運動後/夕方〜夜 など)
  • どんな動作で痛むか(走る/投げる/跳ぶ など)
  • 競技名・ポジション・練習量・頻度
  • 靴の減り方・姿勢の左右差・歩行の違和感
  • 体の硬さ・転びやすさ・ケガの頻度
  • 既往歴・治療歴・服薬歴(お薬手帳など)

学校生活・スポーツ継続・復帰支援

当院では、スポーツや日常動作に合わせた復帰プラン設計や、学校・部活動・チーム・トレーナーとの情報共有(診療情報提供書・復帰計画書など)も診療の一部としてサポートしています。
過度な負荷で将来の運動器バランスを損なわないよう、「早く戻る」より「安全に確実に戻る」ことを最優先にしています。

こどもの体の未来を守るために

成長期の骨や筋肉は、運動・睡眠・食事・日光・体の使い方で大きく変化します。
当院では治療だけでなく、10年後、20年後の体のバランスや運動の継続に自信を持てる診療を目指し、こども自身と保護者の方に分かりやすく丁寧に説明しながら治療・予防・復帰まで支えます。